全24回:2回目「製薬業界における洗浄バリデーション~TOC法の分析法バリデーションの重要性~」

製薬業界における洗浄バリデーション:TOC法の分析法バリデーションの重要性

今回は、製薬業界向けの洗浄バリデーションにおけるTOC法の分析法バリデーションについてご紹介します。この新しいアプローチは、設備の清浄度を評価するための重要な手法です。

ICH Q2Bガイダンスに準じて、TOCを使った分析法バリデーションに関連する以下のパラメータの評価例を紹介します。

  • 検出限界(LOD) / 定量限界(LOQ)
  • 真度 / 精度
  • 直線性 / 回収率
  • 堅牢性

背景と目的

洗浄バリデーションプロトコルでは、バックグラウンドTOCを測定し、検出限界(LOD)と定量限界(LOQ)を決定します。TOC法は、サンプル中の炭素含有量を評価する方法として認められており、設備の清浄度を評価するために使用されます。

分析法バリデーションの評価項目

真度と精度: 真度は、分析対象物の測定値が真の値にどれだけ近いかを評価する指標です。また、精度は、サンプルを複数回分析してその値が一致しているかを示す指標で、相対標準偏差(RSD)として測定されます。これにより、分析結果の信頼性が確保されます。

直線性と回収率: 直線性試験では、測定値が分析対象物の濃度と直線的な関係を持つことを検証します。回収率は、分析対象物に対してTOCがどれくらい回収できるのかを評価します。これにより、分析法の正確性と信頼性が確認されます。

堅牢性: 堅牢性は、分析法開発時のパラメータからわずかな変動があっても正常な結果が得られる能力を示す指標です。これにより、分析法が実際の使用環境でどれだけ安定しているかを評価します。

検出限界(LOD)と定量限界(LOQ): LODは、測定値が機器のノイズ由来なのか化合物の存在由来なのかを評価するための値です。LOQは、意味のあるデータと意味のないデータを評価するための値です。これにより、分析法の感度と精度が確認されます。

この新しいTOC法を用いた洗浄バリデーションは、品質と効率を大幅に向上させることが期待されています。製薬業界における洗浄バリデーションの重要性を再認識し、最新の分析法を取り入れることで、より高い品質基準を達成しましょう。

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ライター:セントラル科学株式会社 業務推進部 梅谷光祐

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