オルガノイド研究・3D細胞培養
オルガノイド研究、「作れる」の次にある課題とは?
― 再現性・成熟・長期培養を“培養環境”から考えるハンズオンセミナー
オルガノイド研究が広がるなか、研究現場では「3Dモデルを作れるか」だけでなく、「安定して育つか」「長期間維持できるか」「実験ごとの結果を比較できるか」といった、その先の課題が重要になっています。
オルガノイドの「作製」から、「安定して研究に使えるモデル」へ。
今回のセミナーでは、動的3次元細胞培養というアプローチを通じて、オルガノイド培養の再現性、成熟、長期維持について考えます。講演だけでなく、実際に装置を見て、触れて、操作を体験できるハンズオンも行われます。
オルガノイドは「作れれば終わり」ではありません
2D培養では捉えにくい細胞間相互作用や組織構造を再現する手段として、オルガノイドやスフェロイドなどの3D細胞培養が幅広い研究分野で利用されています。
一方、実際に研究へ応用していく段階では、別の課題が見えてきます。
再現性
オルガノイドの大きさや状態が実験ごとに変化すると、評価結果の比較や解釈が難しくなる場合があります。
成熟
3D構造を形成していても、目的とする組織機能や細胞状態まで十分に成熟しているとは限りません。
長期培養
構造体が大きくなるにつれて、内部への酸素や栄養供給、老廃物の排出が培養状態に影響する可能性があります。
つまり、オルガノイド研究では「どの細胞を使うか」「どの培地を使うか」だけでなく、細胞をどのような環境で育てるかも重要な検討項目になります。
“培養環境”を見直すという考え方
こうした課題に対する一つのアプローチが、培養液を動的に流動させながら3D構造体を浮遊状態で維持する動的3次元細胞培養です。
Celvivo社のClinoStar 2は、低せん断環境で3D細胞培養を行うための動的培養システムです。
専用リアクターを緩やかに回転させ、細胞や構造体を浮遊状態で維持します。動的な培養環境を形成することで、構造体周囲に生じる栄養や酸素の枯渇領域を低減することを目的としています。
ClinoStar 2で考える、3D培養環境のポイント
- 低せん断環境での動的3D培養
- 構造体周囲の栄養・酸素供給環境へのアプローチ
- 6つのリアクターを個別に回転制御
- 6台のカメラによるリアルタイムモニタリング
- 温度・CO₂制御と、オプションによる低酸素培養
- リモート操作・モニタリングへの対応
培養環境の違いは、研究結果にどう影響するのでしょうか
3D構造体が大きくなると、内部まで栄養や酸素が届きにくくなり、培養条件によっては構造体内部の状態が外側と異なる可能性があります。
Celvivo社が公開している脳オルガノイドの事例では、ClinoStarによる動的培養と標準的なオービタルシェーカーによる培養を比較した例が紹介されています。ClinoStarを用いた脳オルガノイドでは、低せん断環境と動的な物質輸送を利用した長期培養や、壊死コア形成に関する評価が示されています。
ここで重要なのは、特定の装置を使えばすべての課題が解決するということではありません。
細胞種や研究目的によって適切な培養条件は異なります。そのため、自分の研究対象に対して「どのような培養環境が必要なのか」を考えることが重要です。
今回のセミナーでは「実際に触れて確かめる」ことができます
装置のカタログやWebサイトを見るだけでは、実際の操作感やリアクターの取り扱い、日常の培養ワークフローまでイメージすることは簡単ではありません。
今回開催される「ヤマト科学×ベリタス共催 第1回 ハンズオンセミナー」では、動的浮遊オルガノイド培養について学ぶ講演に加え、ClinoStarを使ったハンズオンセッションが予定されています。
実機デモンストレーションや専用リアクターの取り扱いを通じて、「自分の研究に取り入れられそうか」、「現在の培養方法と何が違うのか」を具体的に確認できる機会です。
セミナープログラム
Opening(13:30~13:35)
セッション1(13:35~14:35)
「毒性評価から共分化、血管化モデルまで、応用が広がる動的浮遊オルガノイド培養」
講師:Celvivo社 ピールンド智子 氏
ハンズオンセッション1(14:45~15:30)
「見て・触れて学ぶ、オルガノイド動的浮遊培養システム体験会」
セッション2(15:40~16:00)
「オルガノイド関連製品のご紹介 ― ES/iPS由来の神経細胞/オルガノイド関連製品 ―」
講師:株式会社ベリタス 小塚 克太 氏
このような方におすすめです
- オルガノイドやスフェロイドを研究に取り入れている方
- 3D培養の再現性やばらつきに課題を感じている方
- 長期培養や成熟化について検討している方
- 毒性評価、創薬、疾患モデルへの3D培養の応用を検討している方
- 動的浮遊培養を実際に見て、操作してみたい方
開催概要
| セミナー名 | ヤマト科学×ベリタス共催 第1回 ハンズオンセミナー オルガノイド研究の最前線 ~作製・培養・成熟化を支える最新技術と応用事例~ |
|---|---|
| 日時 | 2026年10月16日(金)13:30~16:00 |
| 会場 | ライフイノベーションセンター 4階 A・B・C会議室 神奈川県川崎市川崎区殿町3-25-22 |
| 参加費 | 無料 |
| 定員 | 30名 |
研究課題を「培養環境」から見直してみませんか?
オルガノイド研究における再現性、成熟、長期培養は、それぞれ独立した問題に見えて、培養環境と深く関係しています。
現在の培養条件でばらつきを感じている場合や、より長期間安定した3Dモデルを検討している場合には、細胞や培地だけでなく「どのような環境で培養するか」という視点から実験系を見直すことも一つの選択肢です。
今回のセミナーでは、講演を聞くだけでなく、実際に装置を見て、触れて、その考え方を確かめることができます。
※本記事について
本記事は、ClinoStar 2のメーカーであるCelvivo社の公式Webサイトおよび公開資料に基づいて制作しています。掲載している研究事例や培養結果は、使用する細胞種、培養条件、実験系などによって異なる場合があります。製品仕様や最新の技術情報については、Celvivo社公式サイトおよび最新の製品資料をご確認ください。


