医薬品特許戦略 Vol.1 総合編

             

書籍紹介『医薬品特許戦略 Vol.1 総合編』

医薬品産業は、製造販売や価格が薬事制度によって管理される一方で、製品や技術を保護する特許権が事業競争に大きな影響を与える、非常に特徴的な産業です。

『医薬品特許戦略 Vol.1 総合編』は、複雑に絡み合う薬事制度と特許制度を、医薬品ビジネスの実務者の視点から体系的に解説した書籍です。先発医薬品と後発医薬品の特許戦略、特許期間延長制度、再審査制度、パテントリンケージ、特許係争、特許調査、実際の事件に基づくケーススタディまで、医薬品特許戦略に必要な知識を幅広く取り上げています。

書籍『医薬品特許戦略 Vol.1 総合編』表紙

『医薬品特許戦略 Vol.1 総合編』

「薬事×特許」の複雑な仕組みを理解するための実務書

医薬品ビジネスにおける競争では、薬事制度と特許制度の両方を理解する必要があります。先発医薬品を保護する企業と、市場参入を目指す後発医薬品企業との間では、特許権侵害訴訟や無効審判などを含む、激しい知的財産競争が行われています。

本書では、単なる制度の説明にとどまらず、先発医薬品と後発医薬品の研究開発や承認申請の進行に合わせて、「どの制度や仕組みを考慮し、何を行うべきか」を整理しています。さらに、実際に起きた事件と結び付けながら、現場で活用できる医薬品特許戦略の視点を提供しています。

Pharma Nexusで「医薬品と知的財産」シリーズを連載中

現在、Pharma Nexusでは、医薬品の種類や特許制度の基礎から、特許期間延長制度、パテントリンケージ、先発医薬品と後発医薬品の特許戦略まで、医薬品ビジネスに関わるテーマを分かりやすく解説しています。本書を読む前の予備知識として、また読後の復習としても活用できます。関心のあるテーマからぜひご覧ください。

第1回:まずは、医薬品の種類と特許の話を聞いてください
第2回:えっ、新薬開発の成功率ってこれだけ?
第3回:特許ってどうすれば取れるのですか?~特許出願から権利取得までの流れ~
第4回:特許が延長できるって本当? ~医薬品の特許期間延長制度~
第5回:本当に「ゾロゾロ」出てくるの?~後発医薬品の開発から上市まで~
第6回:特許侵害で訴えられたら?~知っておきたい訴訟の流れ~
第7回:えっ、特許をつぶす?~ライフサイエンスビジネスを阻む特許の攻略術~
第8回:訴訟からライセンスで収益化~オプジーボ対キイトルーダの特許戦争~
第9回:えっ、後発医薬品が承認されない?!~パテントリンケージって何?~
第10回:後発品をシャットアウト~進化する先発の特許戦略~
第11回:先発特許を切り崩せ~巧妙な後発の特許戦略~
第12回:まるで戦国時代!~先発対後発の特許をめぐる争い~

本書の構成

本書は、「基礎編」「応用編」「実践編」の3部で構成されています。

基礎編

特許出願から特許権取得までの流れ、特許権の効力、特許侵害、権利活用といった特許制度の基本を解説します。また、先発医薬品、ジェネリック医薬品、バイオシミラー、オーソライズドジェネリックなど、医薬品業界特有の仕組みを整理します。

応用編

医薬品特許戦略において重要となる、特許期間延長制度、再審査制度、パテントリンケージ、虫食い申請、試験研究の例外などを取り上げます。あわせて、裁判所や特許庁における特許係争と、戦略立案に欠かせない特許調査について解説します。

実践編

先発医薬品と後発医薬品それぞれの特許戦略を、研究開発、承認申請、薬価収載、上市後までの流れに沿って整理します。また、実際の事件を扱ったケーススタディを通じて、医薬品特許戦略の争点や実務上の判断ポイントを学ぶことができます。

このような方におすすめ

  • 製薬企業やバイオ関連企業の研究開発担当者
  • 知的財産、法務、薬事、事業開発部門の担当者
  • 営業、企画、広報、経理など、製薬事業を支える部門の担当者
  • 行政機関、特許庁、裁判所などで医薬品特許に関わる方
  • 医薬・歯学・薬学・理工・法律・経済・経営分野の学生・大学院生
  • 製薬関連企業の新任知的財産担当者
  • 医薬品特許戦略を体系的に整理したい実務担当者

主な目次

基礎編

第1章 特許の基礎固め

  • 特許出願と特許権の取得
  • 特許権の効力と活用

第2章 医薬品業界の特殊性

  • 医薬品業界について
  • 医薬品の種類
  • 先発医薬品
  • 後発医薬品

応用編

第3章 薬事制度と特許制度が絡む仕組み

  • 特許期間延長制度
  • 再審査制度(データ保護)
  • パテントリンケージ
  • 虫食い申請(基本効能申請)
  • 試験研究の例外

第4章 特許係争に関する制度

  • 先発対後発医薬品の特許係争
  • 裁判所で始まる戦い
  • 特許庁で始まる戦い

第5章 医薬品特許戦略における調査の活用

  • 特許調査の種類とポイント
  • SDIとウォッチング
  • 延長登録の調査

実践編

第6章 先発と後発の特許戦略

  • 先発医薬品の特許戦略
  • 後発医薬品の特許戦略

第7章 医薬品特許戦略のケーススタディ

  • 医薬品特許戦略マップ
  • 医薬品特許戦略ロードマップ
  • マキサカルシトール事件
  • ピタバスタチン製剤事件
  • プレガバリン事件

医薬品事業を横断的に理解するための一冊

医薬品特許は、知的財産部門だけに関係するテーマではありません。研究開発、薬事、法務、事業開発、営業、企画など、医薬品のライフサイクルに関わる幅広い部門が、薬事制度と特許制度の関係を理解することが求められます。

本書は、医薬品特許戦略を初めて学ぶ方の入門書としてだけでなく、製薬企業における知識の整理、社内教育、事業戦略の検討にも活用できる実務書です。


書籍の詳細・購入はこちら


著者プロフィール

田中康子

田中康子

エスキューブ株式会社代表取締役/エスキューブ国際特許事務所代表・弁理士
株式会社ストラテジックキャピタル社外取締役
東京農工大学大学院非常勤講師
知的財産権訴訟における専門委員

帝人、ファイザー、スリーエムジャパンの知的財産部にて、国内外の知財実務、知財戦略構築、契約交渉、知財教育、各種プロジェクトマネジメントを経験。
2013年4月に、知財の活用による日本企業の国際競争力強化を目指して知財コンサル会社「エスキューブ株式会社」を設立。
同年8月に権利化を含めたシームレスなサービスを提供すべく特許事務所を設立し現在に至る。
1990年3月千葉大学理学部化学科(生化学)卒。